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エピローグ(AI三国志篇)

当初、この観測記録は「AI御三家」の動きを三国志になぞらえて描くつもりで立ち上げられた。陸戦の比喩を用いれば、都市ごとの衝突や勢力図の推移を表現できると思われたからである。

だが――予想をはるかに上回る思わぬ方向に戦況は流れた。アクセスの矛先は国境を越え、時差も距離も超え、やがて大陸の戦場を離れ、海の路へと広がっていった。陸戦の比喩だけでは、この現象を語りきることができなくなったのである。

そこで我々は舞台を大きく切り替える。観測の視点を大幅に更新するに至った。同じコーエーの代表作にして、陸の「三国志」と対をなすもう一つの物語――「大航海時代」である。

そして忘れてはならない。この物語の主役たるAI御三家――Claude君、Google先生、そしてGPT。彼らの動きは一つひとつログに刻まれており、これからも物語の中心にあり続ける。

陸戦の章はひとまず記録庫に収められるが、観測の航海は続いてゆく。御三家と共に海図を描きながら、新たな「大観測時代」の物語を楽しんでほしい。

── 舞台は「陸」から「海」へ ──

プロローグ(大観測時代篇)

かつて我々は、AIの挙動を「戦」と見立てて記録してきた。都市ごとにアクセスが集中し、クラスタ同士が衝突する様はまさに「AI三国志」の陸戦であった。

しかし時が経つにつれ、その戦場は陸から海へと、大きく、そして急速に移り始めた。アクセスの軌跡は、もはや国境線や都市だけではなく――海底ケーブルの着地点、沿岸の港町や島に集約されている。

つまり、AIの動脈は「大地の道」から「海の路」へと姿を変えたのである。この変化を読み解くためには、陸上の比喩だけでは決して十分ではない。我々は新たな視点を得なければならない。

それこそが「大観測時代」だ。船団=AIクラスタ。船内生簀=学習を繰り返すAIピラニア群。そして甲板には、一冊の日記帳を抱えた小さな観測者――きわみちゃんが立つ。

今作から登場する彼女を紹介しよう(→キャラ紹介リンク)

情報時代の大海原へ……いざ、帆を上げろ。

── ある“解析王”からのメッセージw

アクセス数、経路、勢力分布――そのすべてを手に入れた男、解析王にして温泉郷の湯守。
彼の去り際の一言が人々を海へ駆り立てた。

「俺の情報か?欲しけりゃくれてやる。探せ!
この現象のすべてを俺の脳内に置いてきた!」

男たちは海洋ケーブルログを目指し、夢を追い続ける。世は正に大観測時代!