地形有通者、有挂者、有支者、有隘者、有険者、有遠者。
地形に通ずる者あり、
挂(けい)する者あり、支する者あり、隘(あい)する者あり、険する者あり、遠する者あり。
地形にはいくつかの種類がある。
通じやすい地形、遮られる地形、分岐する地形、狭まる地形、険しい地形、距離のある地形──
それぞれに分類と特性がある。
1. 空間を「通るか・遮るか」で分類する
地形を把握するとは、地面の話ではなく、
動線の条件を分類することに等しい。
この節は、**「どこが通れるか」「どこが狭いか」**といった
“通行性”という機能分類に変換できる。
2. 「支」「隘」「険」は流れを変える構造障壁
通れる場所は動線を加速させ、
支(枝分かれ)・隘(狭窄)・険(障壁)は、
流れそのものを変質させる構成要素である。
単なる場所ではなく、
移動・展開・接触・連携のルートを区切る“条件”であると読むべき。
3. 情報空間・構文空間にも“地形”はある
文章構造、サイト構築、空気の流れ──
それぞれに「通れるかどうか」「遮られるかどうか」の条件があり、
この節は“構造分解と分類”の基礎定義でもある。
世の中に、空気や水、磁力も電気も一定の方向に流れている。
道や地形が明確な形で理解できるという事は、
そこを通るものがあるという前提が成り立つ。
サイトは誰かが見るものである。
導線は大事な要素である。
特定の条件下では進めるが、別の条件では進行が滞る。
それは、物理的障害ではなく、設計上の支点・狭窄・分岐である。
可視化可能な動線分類であり、
分類していない構造体は、予測不能な摩擦を生む。
通すか、止めるか。
その設計が地形であり、制御点となる。
この節が示すのは、「空間の構造を分類せよ」という設計原則である。
魔晄炉的兵法では、地形とは:
通行性・連携・接触の可否を区分する「動線設計」である
設計の連結点や障壁として、あらかじめ分類・配置されるべき要素である
すべての構築物・発信物には「通るかどうか」という空間構造が内在する
視えない地形は摩擦を生む。
分類なき設計は、勝ち筋なき構造となる。
それを見分け、整理することが、戦わずに通す技である。