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第55節 凡此六者,地之道也,將之所處,生死之地,不可不察也(およそ この ろくしゃ は、ち の みち なり。しょう の しょする ところ、せいし の ち にして、さっせざる べからず)

📜 原文(漢字のみ)

凡此六者,地之道也,將之所處,生死之地,不可不察也。

🪶 書き下し文(文語)

凡そ此の六者は、地の道なり。将の処する所、生死の地にして、察せざるべからず。

💬 日本語訳(意訳)

これら六つの地形は、戦における地の基本である。将がどこに陣を敷くかは、部隊の生死を分ける重大な要素であり、見落としてはならない。

♨ 魔晄炉的注解

地形とは“戦術”ではなく“前提”である
 選べないもの、変えられないもの、受け入れるしかない条件──それが「地の道」。記事や思想の配置も、同じく場の条件から逆算する設計が基本となる。つまり、先に“地”を見極めよ。内容や表現の前に、置くべき場所を察することが先決。

構築は、配置から始まる
 戦術は「何をするか」だが、地形は「どこでやるか」である。ネット上での発信においても、サイト構成・UI配置・リンク動線など、“どこに置くか”が思考の主導権を握る。思想を守り活かすには、戦う前に地を読むことが絶対条件だ。

選択肢を持たぬ者は“配置された側”となる
 地の道を読まず、場所の意味を無視する者は、必然的に他者の地形に組み込まれる。気付かぬうちに“配置される側”に落ちている。選ぶ者であり続けるには、常に「自分が立つ地」の構造を読み解き続けねばならない。

✍ 作成者自論

サイトの製作においては、WEBという広大な土地にどんな需要という起伏や特徴があるかの選定が重要である。
極端な話としての例だが──女性用の生理用品は、男性は買わない。
頼まれたとかの要因であれば購入に至るだろうが、本来、男性に必要とする自発的な購入心意はない。
選ばず考えずに置いた場所は、置かされた場所と同じである。
そして、地形を見ずに設計した思想は、構造ではなく散文と化す。
構造とは、“地”を読んで構成されて初めて成立する。
気付かぬうちに、どこかの誰かの設計に乗せられていないか?
思想を語る前に、まず足元の“地”を読め。

🧭 その節のまとめ

この節は、「戦いは地の上で起きる」という原理の再確認である。
思想や発信がどれほど優れていても、“置く場所”を誤れば意味を持たない。
魔晄炉的兵法においては、「勝つ技術」ではなく「地を読む設計力」こそが最初の防壁となる。
構築は、配置から始まり、地に支えられて初めて立ち上がる。

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