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第61節 凡地有九、散地、軽地、争地、交地、衢地、重地、圍地、死地、通地(およそ、ちに きゅう あり。さんち・けいち・そうち・こうち・くち・じゅうち・いち・しち・つうち なり)

📜 原文(漢字のみ)

凡地有九、散地、軽地、争地、交地、衢地、重地、圍地、死地、通地。

🪶 書き下し文(文語)

およそ、地に九有り。散地・軽地・争地・交地・衢地・重地・囲地・死地・通地なり。

💬 日本語訳(意訳)

戦場となる地には九つの種類がある。
それは、散地・軽地・争地・交地・衢地・重地・囲地・死地・通地である。

♨ 魔晄炉的注解

① これは「分類」ではなく“地形フレーム宣言”である。
ここは「具体説明」ではなく、「九地」という兵法最大の構造展開への予告的宣言である。
「五事七計」に次ぐ巨大構造の枠組みとして、「九地」がこの節から本格起動する。
それぞれの地形は次節以降で1つ1つ細かく扱われるため、ここでは分類ラベルとしての定義が主眼。
🌀 九地とは「戦略上の心理的・構造的ステージ」であり、物理地形そのものではない。本節は、思想上の“地図”を手渡す準備。

② 思想戦における“地形のOS”である。
この「九地」の構造は、現代においてはWEB設計・思考展開・心理設計のあらゆる構造に応用できる。
たとえば──
「散地」:離脱しやすい/つかみきれない流入状態
「交地」:交差リンク・メディア同士の接続戦場
「死地」:引き返せないCTAの直前など
このように、それぞれの「地」は戦術設計のテンプレではなく、“構造読み取りのOS”として使われる。次の9節でこのOSの中身が展開されると考えるべきである。

③ この「九地」は“問いの入口”である。
九地という分類は、「勝つための地形」ではない。それぞれの地において「どう動くべきか?」という問いの型を先に用意しておくための設計である。つまり「地形の種類」とは、「状況による構造認識のフレーム」であり、それは読み手の判断力を磨くための実戦的メタ構文である。

✍ 作成者自論

これは単なる構図上の「分類」ではなく、思想を構成する“要因”である。
サイトの構造、動線の種類、心理的動き、集客の状態──すべての要素が、無意識にこの九地のどれかに帰属していると認識してほしい。
それに気づかないまま設計すれば、“散地に金をかけ”“死地にリンクを置く”という矛盾が起きる。
デッドスペース、発火点、交差点など場所や地理条件ににまつわる比喩は数多く存在する。だから、先に「地図」を持っておく必要がある。
ここからはは「勝つための9分類」ではなく、「9通りの設計ミスを回避するための思惑や考え方」である。

🧭 その節のまとめ

「九地」は地形の説明ではなく、“思想設計の地盤マッピング”。
各地形は次節以降で具体化されるため、ここは“思想OSのインストール”。
意味不明のまま分類暗記しても無意味。問いのフレームと認識せよ。
魔晄炉的教訓:構文設計とは、「どこに置かれた問いか」を識別する作業である。

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